「もういやだ!なんでわかってくれないの!」
小学3年生の息子が、宿題のプリントを机に投げつけました。
思わず「そんな言い方しないで!」と怒り返しそうになった瞬間、私は深呼吸をして、ただ黙って息子の言葉を待ちました。
すると彼はしばらくして小さな声で言いました。
「だって…本当はうまくできなくて悔しいんだよ」
そのとき気づきました。子供の怒りの裏には、「理解してほしい」「認めてほしい」という気持ちが隠れているんだ、と。
親が耳を傾けるだけで、子供の心は少しずつ落ち着きを取り戻します。
今日は「子供の怒りを理解するために耳を傾ける」という大切なスキルについて、一緒に考えてみましょう。
子供の怒りは“理解してほしい”というサイン
子供が怒っているとき、表面だけを見ると「わがまま」や「反抗」と受け止めがちです。
でもその奥には、「自分の気持ちをわかってほしい」「悔しい、寂しい、悲しい」というサインが隠れています。
聖書の中にはこうあります。
「柔らかい答えは憤りをとどめ,激しい言葉は怒りをひきおこす」(箴言15:1)
親が先に感情的に返すと、怒りの炎に油を注ぐようになってしまいます。
けれども「耳を傾ける」というシンプルな行動が、子供の心を落ち着かせ、関係を修復する第一歩になります。
親ができる「耳を傾ける」スキル
耳を傾けるといっても、ただ黙って聞くだけではありません。子供に「ちゃんと理解してもらえた」と思わせるポイントがあります。
- 相手の気持ちを言葉にして返す
例:「悔しかったんだね」「うまくいかなくて嫌になっちゃったんだね」 - 否定しないで受け止める
「そんなこと言わないの!」ではなく、「そう思ったんだね」と返す。 - すぐに解決策を出さない
親はアドバイスしたくなりますが、まずは共感が大事です。
この3つを意識するだけでも、親子の対話は驚くほどスムーズになります。
耳を傾けると親自身も変わる
子供に耳を傾けていると、不思議なことに親自身の気持ちも変化していきます。
最初は「言い訳ばかり」とイライラしていた気持ちが、「この子は一生懸命なんだな」と見方が変わる瞬間があります。
つまり「耳を傾ける」ことは、子供だけでなく親の心も柔らかくするのです。
今日からできる小さな実践
- 子供が言い返してきたら、まず深呼吸をして5秒だけ待つ
- 子供の言葉の裏にある「本当の気持ち」を探してみる
- 夜寝る前に「今日はどんな気持ちだった?」と一言尋ねてみる
この小さな習慣が、親子の信頼関係を少しずつ積み上げてくれます。
まとめ
子供の怒りは、ただの反抗ではなく「理解してほしい」という心のサインです。
親がその裏にある理由に耳を傾けると、子供は安心し、少しずつ怒りを手放していけます。
そして不思議なことに、その姿勢は親自身をも助けてくれます。
感情に巻き込まれずに冷静に対応できるので、親の心も軽くなり、家庭に穏やかな空気が戻ってくるのです。(この子は何を伝えようとしているのか?と考えることで自分は一緒になって怒らなくなる)
「柔らかい答えは憤りをとどめる」(箴言15:1)の言葉のように、
あなたの優しい耳と心が、子供にとってかけがえのない安心感となり、親子の絆をいっそう深めていきます。
学習活動 – 耳を傾ける練習をしてみよう
「耳を傾ける」スキルは、日常の小さな工夫から身につけられます。無理なくできる方法を試してみましょう。
① 思い出して書き出す
最近、子供が怒った出来事をひとつ思い出し、ノートに書き出してみます。
「子供が言った言葉」「自分の反応」「子供の本当の気持ちは何だったのか?」を順番に整理してみましょう。
② 心の中でシミュレーション ← (とても大切)
そのときに戻ったつもりで、もしもう一度同じ場面が来たらどう声をかけるか考えてみます。
例:「そんなこと言わないの!」 → 「そう思ったんだね、悔しかったんだね」に言い換える。
③ ちょっとした実践
次に子供と話すときは、怒っていなくても「今日はどんな気持ちだった?」と聞いてみましょう。
怒りの場面でなくても耳を傾ける練習になります。
耳を傾けることは、特別なスキルではありません。
「ちょっと立ち止まって、子供の気持ちを聴いてみよう」――それだけでいいんです
そんな小さな一歩が積み重なっていくと、親子の関係は少しずつ、でも確実にあたたかく変わっていきます
完璧じゃなくても大丈夫です。その姿勢こそが、子供にとって大きな安心として伝わっていると信じてくださいね


コメント