7「怒りは自分でコントロールできる⁉|親がイライラしない方法と実践ステップ」

6 怒りに打ち勝つ

ショートストーリー

「もう何度同じことを言わせるの⁉」
夕食の準備をしている最中、部屋が散らかり放題なのを見て、つい大声を出してしまった。子どもはすぐに片づけるどころか、むっとした顔で背を向ける。自分でも、こんなふうに怒鳴りたくないのに…。気づけば、また同じ後悔を繰り返していた。

もし、あなたが、子供に対して日々、イライラして、いつも同じようなことで怒っているなら、
あなたの感情は、怒りのパターンにはまっているかもしれません


本当は怒りたくないと思っているのに、この状況から抜け出せない


では、なぜ、怒りのパターンから抜け出せないのか? それには理由があります。

もし、自分の怒りが爆発する前のサインに気づき、適切な対処ができたらどうでしょう?

・子どもに冷静に伝えられるようになり、親子の関係が良くなる
・ストレスが減り、心に余裕が生まれる
・「怒りすぎた…」と後悔することがなくなる

怒りのサイクルを理解することで、これらが現実になります。
この記事では、怒りのサイクルを4つのステップに分けて説明し、それぞれの段階でどのように対処すればいいのかをお伝えします。

怒りをうまくコントロールできるようになると、子どもとの関係が深まり、家庭に穏やかな空気が流れるようになります。親子の会話が増え、笑顔であふれ、日々の小さな喜びを感じられるようになるでしょう

怒りのサイクルを自覚する

親が慢性的に怒りを感じているとすれば、それは「怒りのサイクル」に陥っている可能性があります。
怒りにはサイクルがあるということを知りましょう
このサイクルには4つの段階があり、行動科学者によって呼び方は異なるものの、基本的な要素は共通しています。

怒りのコントロールに関するスペシャリストであるマレー・カレンとロバート・E・フリーマン=ロンゴは、このサイクルを以下のように分類しています。

  1. 正常なふりをする段階
  2. 怒りが増大する段階
  3. 行動で表す段階
  4. 否定的な感情にさいなまれる段階

怒りを抑える最良の方法は、生理的な高まりが起こる前に、サイクルの早い段階で対処を試みることです。
要するに次の 1. 正常なふりをする段階 で自分自身の心にすでに怒りの種がまかれていることを自覚して、芽が出る前に対処するのが最善だということです。


1. 正常なふりをする段階

この段階では、表面的には冷静を装っていますが、内心では小さな不満やストレスが蓄積し始めています。「まあ、こんなことはよくある」と自分に言い聞かせたり、怒りの感情を押し殺したりすることが特徴です。しかし、怒りが適切に処理されないと、次の段階へと進んでしまいます。

よくある例:

  • 仕事から帰ってきて、部屋が散らかっているのを見ても、「まあ、大したことじゃない」と自分に言い聞かせる。
  • 子どもが宿題をやらずに遊んでいても、「あとで注意しよう」とその場は何も言わない。
  • パートナーに対して不満があっても、言葉にせず心の中でため込む。

対策:

  • 穏やかに伝える: 「おもちゃを片付ける時間だね。一緒にやろうか?」
  • 気持ちを伝える: 「疲れてるときに散らかってると、ちょっと気持ちが落ち着かないんだ。」
  • 事前にルールを決める: 「寝る前におもちゃを片付けることにしよう。」
  • 考える時間をもつ:自分の気持ちを認識し、心の中で整理する。

2. 怒りが増大する段階

この段階では、積もり積もったストレスや不満が大きくなり、イライラしやすくなります。子どものちょっとした行動に過剰に反応してしまったり、身体的な緊張(肩こり、心拍数の上昇など)を感じたりすることが特徴です。

また、この段階では、怒りを増大させるゆがんだ思いに意識が向きやすくなります。

よくあるゆがんだ思い:

  • 「娘は親のわたしの言うことなんて、どうでもいいと思っている。」
  • 「わたしはここで全ての仕事をこなしているというのに、息子はまったく手伝わない。」

このような思考が繰り返されると、脅威や危険を感じ、怒りをもって反応するようになります。また、怒りを爆発させることを思い巡らし、その方法を考えることもあります。

さらに、怒りを増大させる常習的な行為に陥ることもあります。

怒りを増大させる行為:

  • 薬物やアルコールへの依存
  • 過食
  • 過労

よくある例:

  • 「なんでいつも片付けないの?」と頭の中で不満が募る。
  • 「私ばかりが家事をしている!」と自分を犠牲者のように感じる。

対策:

  • 一呼吸置く: 深呼吸をして心を落ち着ける。
  • シンプルに伝える: 「〇〇してくれると助かるな」と依頼形で伝える。
  • 視点を変える: 「何か楽しく片付ける方法があるかな?」

3. 行動で表す段階

怒りがピークに達すると、親は大声で怒鳴ったり、物を投げたり、手を上げたりといった行動をとることがあります。この段階に入ると、冷静な判断ができなくなり、後悔するような行動をとるリスクが高まります。

よくある例:

  • 片付けをしない子どもに「何回言ったら分かるの!」と怒鳴る。強く叩いてしまう。
  • 感情が爆発し、「もう知らない!」と部屋を飛び出してしまう。
  • 夫が手伝わないことにイライラし、無視する

対策:

  • すぐに反応しない: その場を離れて心を落ち着かせる。
  • 怒りの原因を見直す: 「本当に子どもの行動が問題なのか?」
  • 事前に冷静な対処法を決めておく: 例えば「大きく深呼吸を3回してから話す」と決めておく。
  • 怒りを伝える代わりに、「ママは疲れているから、〇〇を手伝ってくれると嬉しいな」と具体的に伝える。

4. 否定的な感情にさいなまれる段階

怒りが爆発した後、罪悪感や後悔に苛まれることがあります。「言いすぎたかも」「叩かなければよかった」と後悔しながらも、次に同じ状況が来たときにまた怒りを爆発させてしまう、という悪循環が起こります。

この段階では、自分の行動を正当化しようとしたり、逆に「自分はダメな親だ」と過度に落ち込んだりすることがあります。罪悪感が強まると、怒りを隠すために、子どもに過剰に優しく接することもあります。短気を抑えようと決意しますが,決意が崩れると,再び「正常なふりをする」段階に戻ります

よくある例:

  • 「叩いたのは悪かった…でも、あのときは仕方なかった」と自己弁護する。
  • 怒鳴ってしまった子どもに謝るのが怖くて、そのまま何事もなかったように振る舞う。
  • 自分を良い親だと証明するために、急に子どもにおもちゃを買い与える。

対策:

  • 素直に謝る: 「さっき怒鳴ってしまってごめんね。」
  • 親自身も学ぶ姿勢を持つ: 「次はこうしてみようと思うんだ。」
  • 冷静なときに家族と話し合う: 「お互いにどうすれば気持ちよく過ごせるかな?」
  • 自分を許す: 完璧な親はいません。失敗しても、改善すれば大丈夫。

まとめ

怒りは誰にでもある感情ですが、それに振り回されずにコントロールすることが大切です。
何度も繰り返すかもしれませんが,あきらめず、自分自身の失敗にも、忍耐を持ってください
あなたにはいつも怒ってしまうシチュエーションがあることでしょう。次はこう対処しようとあらかじめ、決めておくことはとても効果的です
怒りのサイクルを理解し、適切な対処法を実践することで、穏やかな家庭環境を築くことができます。

「怒りを手放すことは、家族の絆を深める第一歩」です。今日から、小さな一歩を踏み出してみませんか?

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